私が不安と向き合うために学んだこと・試したこと

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こんにちは、ごんです。

以前、『頑張りすぎた公務員が休職して気づいたこと』という記事で、私自身が不安や心身の不調と向き合ってきた経験について、少しお話ししました。
その最後で、「次回は、私が抱えてきた不安との向き合い方について、もう少し詳しくお話しする予定です」とお伝えしていました。

今回は、私が休職やリワークプログラムなどを通して、

  • なぜ、あんなにも不安に押しつぶされそうになっていたのか(不安の正体探し)
  • どうすれば、少しでも心が楽になるのか(具体的な対処法)
  • そして今、不安とどう付き合っているのか

といった、私自身の具体的な道のりや、そこで見つけた小さなヒントについて、お話ししたいと思います。

この記事は、「こうすれば不安が100%消えます!」というような、魔法の処方箋ではありません。
私自身、今も不安と“よりみち”しながら、うまく付き合っていく方法を模索している最中です。

でも、私が実際に学び、試してきた具体的な考え方や対処法が、今同じように苦しんでいる誰かにとって、ほんの少しでも「自分もこれを試してみようかな」と思える、そんなきっかけになれたら嬉しいです。

なぜこんなに苦しいの? 私の「不安」の正体探し

休職して初めて、私は自分の「不安」と本格的に向き合うことになりました。
その中で、特にリワークプログラム(復職支援プログラム)での学びは、自分の心を理解する上で大きな助けとなりました。

私が特に「これだ!」と感じたのは、人にはそれぞれ「考え方の癖」があるということです。リワークでは、認知行動療法(考え方や物事の受け取り方に働きかけて、気持ちを楽にする心理療法)の考え方を学び、自分がいかに、物事を「白か黒か」「0か100か」で判断してしまっていたかに気づかされました。

例えば、当時の職場では、前任者や上司から「ミスは絶対にないように」と、常に完璧であることが求められていました。もちろん、それは社会人として当たり前のことかもしれません。
でも、もともと完璧主義の気質があった私は、その言葉でさらに拍車がかかり、「ミスは絶対にダメなことだ」「業務を遅らせてはいけない」と、自分自身を“100点満点以外はすべて0点”というルールで、がんじがらめにしてしまっていたのです。

たった一つの小さなミスも、プロジェクト全体に影響するような大きなミスも、私の中では同じ「失敗」という重いカテゴリーに入ってしまう。だから、何かあるたびに、精神的に自分をどんどん追い込んでいきました。

かつてはもっと自分に優しくできたはずなのに、いつの間にか「ミスをした自分」を許すことができなくなっていたのです。(今思えば、ミスをただ責めるのではなく、その後にどうカバーするかを考える方が、よほど建設的だったのですが…)

特に衝撃だったのは、仕事の締め切りに対する考え方です。
私は「締め切りは絶対に守らなければならない(100%の義務)」と考えていましたが、ある時、職場の同僚が「締切日って、まあ提出の“目安”日みたいなものだよね」と話しているのを聞いて、本当にびっくりしました。

私の中には全くなかったその仕事への向き合い方に、「そんな考え方があっていいのか!」と大きな衝撃を受けたのを覚えています。(もちろん、今でも私は締め切りはきちんと守っていますが!)

別の方からは「仕事なんて、やってもやらなくても給料は一緒なんだから、ゆっくりやれば良いんだよ」と言われたこともありました。その言葉も、当時の私にはしっくりきませんでした。
「しっかり仕事をするからこそ、対価として給料が貰える」というのが私の基本的な考え方だったので、「仕事をしなくても良い」という発想が、どうしても理解できなかったのです。

今思えば、これらも全て、私が物事を「やるか、やらないか」「正しいか、正しくないか」の白黒で判断してしまっていた「考え方の癖」の表れだったのだと思います。
周りの人たちの考え方が「正しい」わけでも、私の考え方が「間違っている」わけでもなく、ただ多様な働き方や価値観がある、ということだったのかもしれません。

不安と「うまく付き合う」ための具体的な方法

リワークでは、こうした「考え方の癖」に気づくだけでなく、具体的な対処法もたくさん学びました。ここでは、その中でも特に私の支えになったものをいくつかご紹介します。

問題解決のステップで、不安を「分解」してみる

漠然とした不安は、私たちを思考停止にさせます。
そこで役立ったのが、不安な状況を「解決可能な問題」として捉え直すステップです。

例えば、私が長年悩まされている「トイレへの不安」(長時間トイレに行けない乗り物が怖い)という問題を、このステップに当てはめて考えてみました。

問題の明確化

「バスツアーなどで、急な腹痛や尿意に襲われ、トイレに行けずに失神したらどうしよう、という強い不安がある」

解決策の案出

『判断は後回し』で、とにかく思いつく限りの解決策を書き出す。『バスに乗らない』『携帯トイレを持つ』『事前に体調を整える』『運転手に事前に伝えておく』『お守りとしてオムツを履いてみる』…など」

解決策の決定

上記の中から、長所・短所、そして実行可能性を考え、自分にできそうなものを選ぶ。

行動計画の立案

「次の旅行では、お守りとしてオムツをカバンに入れて持っていってみよう。そして、バスに乗る前には水分を控えめにし、SAでは必ずトイレに行こう」といった具体的な計画を立てる。

実行と評価

実際にやってみて、どうだったかを振り返る。

このように、漠然とした不安を具体的な「問題」と「行動」に分解することで、「自分にも対処できることがある」という感覚を持てるようになりました。

私なりのコーピング(ストレス対処法)リスト

皆さんも、自分なりのストレス対処法、いわゆる「コーピング」をお持ちだと思います。
リワークでは、その引き出しをたくさん持っておくことの大切さを学びました。
私が実際に試してみて、特に効果があったものをいくつかご紹介します。

  • 白湯を飲む
    緊張する場面や、ホッと一息つきたい時に手軽にできる、私にとっての万能薬です。
  • 0秒思考(A4用紙にメモを書き出す)
    不安や悩みが頭の中でぐるぐるする時、1分間、とにかく頭に浮かんだことを紙に書き出します。「書くまではおっくうだけど、書き始めると心が少し軽くなる」という効果を実感していま す。
  • 身体を動かす(スモールステップで)
    休職中に体力が落ち、気力もなくなっいくのを痛感しました。
    リワークでは、「スモールステップ(小さな一歩)」で身体活動を増やすことを学びました。
    いきなり頑張りすぎず、「今より毎日10分だけ多く体を動かす」ことから。
    私の場合は、散歩や軽い筋トレですが、これを始めてから寝つきが良くなったり、気分が晴れたりすることが増えました。
  • オムツをお守りにする
    これは「恥ずかしい話ですが…」と前置きした上で、リワークのSST(場面を想定した対人関係トレーニング)で勇気を出して相談したことでもあります。
    「トイレの不安」に対して、私は「大人用のオムツを履いて出かける」というコーピングを試したことがあります。実際に使ったことは一度もありません。
    でも、「最悪、これがあるから大丈夫」という安心感が、私から不安を遠ざけ、車やバスに乗る勇気をくれました。これは「格好悪い」対処法かもしれませんが、
    どんな方法であれ、実際に自分のストレスを減らし、行動を後押ししてくれたなら、それは自分にとって最高のコーピングなのだと思います。

「絶対大丈夫だよ」― 今、私が心から伝えたいこと

ここまで、私が不安と向き合うために学んできたこと、実践してきたことをお話ししてきました。
休職し、リワークに通い、自分自身と嫌という程向き合った今、私が過去の自分や、同じように今苦しんでいる誰かに伝えたいことがあるとしたら、それはとてもシンプルなことです。

今は辛くて苦しいかもしれないけど、絶対大丈夫。ゆっくり休んでね。焦らなくて大丈夫だよ」と。

リワークの記録に、私はこう書いていました。
「体調・気分の浮き沈みは、波のように少しずつ回復していくもの。少しずつ前を向いていきたい」。
回復は一直線ではありません。良い日もあれば、悪い日もあります。
でも、そうやって波を乗り越えていく中で、確実に少しずつ、楽になっていきます。

不安はゼロにはならないかもしれません。
私自身、今も不安と“よりみち”しながら生きています。
でも、こうして具体的な方法を知り、自分に合うものを、自分のペースで、スモールステップで試していけば、必ず今より楽になれるし、楽しく「よりみち」しながら生きていける。そう信じています。

時には逃げたって、よりみちしたって、いいんだよ、と。 他の誰のためでもない、あなたの心と体が一番大切です。
どうか、自分自身を、もっともっと大事にしてあげてください。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
あなたの「よりみち」が、素敵なものでありますように。

以上、ごんでした。

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