私たち夫婦にとって、福岡は特別な思い出の場所です。 それは、数年前の「結婚旅行」で訪れたから。
もともと「いつか福岡に行ってみたいね」と話していたのですが、せっかくならと、福岡、熊本、鹿児島を巡る3泊4日の九州旅行を計画しました。
海外よりも国内の素敵な場所を巡るのが好きな私たちにとって、それは最高の選択でした。
その旅行で出会ったいくつかの味が、今でも忘れられず、「また絶対に行こうね」と夫婦で語り合うほど、私たちの心を掴んで離さないのです。
今回は、そんな思い出の九州旅行の中から、特に福岡で体験した、忘れられない味についてお話ししたいと思います。
昼の顔:揚げたて天ぷら「ひらお」の衝撃

「天ぷら=高級」のイメージを覆す、驚きの食券システム
正直に言うと、カウンターで一品ずつ揚げてもらうような天ぷら屋さんは、私にとって少しハードルが高い存在でした。
「作法とか、分からないと恥ずかしいかな…」なんて考えてしまい、入るのに少し勇気がいるイメージです。
ですが、「ひらお」はそのイメージを良い意味で裏切ってくれました。 お店に入ってまず驚いたのが、食券機でチケットを買うシステムだったことです。
「え、食券で買うの!?」と。この気軽なスタイルのおかげで、私の緊張は一気に解け、安心して席を待つことができました。
私たちが訪れたのは夜遅い時間だったので、名物の大行列とまではいきませんでしたが、それでも数人の方が待合の椅子で待っているほどの人気ぶり。
初めての訪問だったので、私と妻は、お店の人気ナンバーワンだと調べておいた「お好み定食」を注文しました。
「お好み定食」は、えび・いか・豚・白身・野菜3種が楽しめる、バランスの良い定食です。
ご飯とみそ汁、そして名物の惣菜もついて、1,140円(税込)というコストパフォーマンスの高さも魅力でした。
主役級の美味しさ!天ぷらを待つ間の「いかの塩辛」
そして、カウンター席に案内されると、まずご飯とみそ汁、そしてお目当ての「いかの塩辛」が運ばれてきました。
この塩辛が、もう本当に…めちゃくちゃ美味しいんです!
柚子の風味が効いていて、塩辛すぎず、さっぱりとしていて、これだけでご飯が進みます。
以前は食べ放題だったと聞きますが、現在は一人一つまでとのこと。それでも、この塩辛を目当てに来るお客さんが多いというのも納得の味で、天ぷらが揚がる前に、うっかりご飯を食べ切ってしまいそうになるほどでした。
五感で味わう、揚げたてのエンターテイメント
名物の塩辛に舌鼓を打っていると、いよいよ天ぷらが揚がり始めます。
カウンターの向こうで、職人さんが手際よく天ぷらを揚げていく。香ばしい油の香りと、「パチパチ」「ジュワー」という心地よい音が目の前に広がり、食欲を一層かき立てます。
そして、揚げたての天ぷらが、一品ずつ、目の前の網皿に置かれていく。この「次は何かな?」というライブ感、そして一品ずつ一番美味しい瞬間に食べられる特別感は、カウンター天ぷらならではの醍醐味ですね。
「美味しいね」と妻と顔を見合わせるものの、正直なところ、私はそれ以上に目の前の天ぷらの食感や味を感じることに、全神経を集中させていました。
あまりの美味しさに、写真を撮ることさえすっかり忘れてしまうほどです。 サクサクの衣をまとった熱々の天ぷらを、添えられた塩や天つゆでいただく。口に入れた瞬間の、素材の旨味と衣の香ばしさ…。それはもう、言葉を忘れて夢中になるほどの美味しさでした。
「お好み定食」の天ぷらは、どれも本当に美味しかったのですが、あえて一つ「主役」を挙げるとしたら、私は「えび」を推したいです。
外の衣はサクサクなのに、中のえびはプリプリで、噛むほどに甘みが広がる。この食感のコントラストは、まさに職人技でした。かぼちゃやピーマンといった野菜の天ぷらも、素材そのものの甘みが引き立っていて最高でした。セットには「白身魚」とありましたが、私の記憶ではそれがフワフワの「鶏ささみ」だったような気も…?いずれにせよ、全てが完璧な揚げ具合だったことは間違いありません。
お店の雰囲気は、とても活気がありました。
他のお客さんも、私たちと同じように、みんな本当に美味しそうに天ぷらを頬張っています。職人さんたちは、多くを語らず、淡々と、しかし丁寧な手つきで天ぷらを揚げ、カウンターに置いていく。そのプロフェッショナルな姿もまた、このお店の味を一層引き立てているように感じました。
夜の顔:最高のジントニックと出会った隠れ家BAR

美味しい天ぷらでお腹も心も満たされた私たちが、その日の夜の締めくくりに訪れたのが、博多駅近くのホテル「WITH THE STYLE FUKUOKA」にあるBARです。
実は、お目当てのバーラウンジの入口が少し分かりにくく、リゾートのような素敵な建物の周りを少しウロウロしてしまいました(笑)。でも、そのおかげで隠れ家を見つけたようなワクワク感も高まります。
私たち夫婦は、普段BARに行くことはあまりないのですが、旅行に来た時だけは、少し背伸びをしてホテルのBARや、こうしたおしゃれなBARで過ごすのがささやかな楽しみになっています。
案内されたのは、水辺に面した屋外のテラス席。 夜風が心地よく、ライトアップされた竹や木々の緑が水面に映り込み、まるで都会の喧騒を忘れるような空間でした。テーブルのキャンドルのような優しい灯りも、非日常感をさらに演出してくれます。
妻はスパークリングワイン、そして私は、どこのバーでも必ず頼むほど好きな「ジントニック」を注文しました。 実は自宅でもたまに作って飲むのですが、やはりプロが作るジントニックは別格です。キリっとした味わいと爽やかな香り、その完璧なバランスは、家ではなかなか真似できません。そして、このお店のジントニックも、もちろん期待を裏切らない、最高の一杯でした。
美味しいお酒を片手に、その日一日の楽しかった出来事を振り返る。これ以上ないくらい贅沢で、穏やかな時間です。 このバーも、妻と「また必ず来ようね」と約束した、満足感が非常に高かった場所。
私たちの結婚旅行を彩る、忘れられない「よりみち」の一つになりました。
まとめ:福岡は、また必ず訪れたい「特別な場所」

今回は、私たちの結婚旅行で訪れた福岡での、忘れられない「食」と「空間」についてお話ししました。
「美味しいものがたくさんある食の都」「都会的でおしゃれな雰囲気と、温かい雰囲気が共存している」…そんな魅力に溢れた福岡は、「将来、いつか住んでみたいね」と妻と話すほど、私たちにとって大好きな街になりました。
天ぷら屋さんで言葉を忘れるほど夢中になった美味しさ、そしてバーで過ごしたリゾートのような穏やかな時間。この旅行は、私たち夫婦にとって、ただ「楽しかった」だけではない、最高の思い出になりました。 今でも何かあると「福岡行く?」と話題に上がるほど、この旅の思い出が、何度も私たちの日常を楽しく彩ってくれています。だから、心から思います。また行きたい!早く行きたい!と。
この記事が、これから福岡へ旅行される方の、ほんの少しでも参考になれば嬉しいです。
そして最後に、これを読んでくださっているあなたへ。 皆さんのおすすめの福岡グルメや、素敵な場所はありますか? もしよろしければ、コメントなどで、ぜひあなたの「とっておき」を教えてください。次の私たちの「よりみち」の参考にさせていただけたら、とても嬉しいです。
以上、ごんでした。