こんにちは、ごんです。
突然ですが、皆さんは「自分だけは大丈夫」と思ってしまっていることはありませんか?
特に、お金のことになると、「うまい話には裏がある」「そんな簡単に稼げるわけがない」と、頭では分かっている。
かつての私も、そう思っていました。
でも、今日は、そんな私が経験した、大きな失敗について正直にお話ししようと思います。
実は私、数年前、精神的に弱っていた時期に、数百万円という大切なお金を投資詐欺で失いました。
思い出すのも辛い、本当に恥ずかしい話です。
これまで、このブログで自分の弱さや不安について語ってきましたが、この経験だけは心の奥にしまい込んでいました。
では、なぜ今この話を書くのか。 それは、「過去の自分と同じように、誰にも言えない不安や焦りから、間違った判断をしてしまう人が、この記事を読むことで一人でも減ると良いな」と、心から思うからです。
そして、この辛い経験を言葉にし、誰かの役に立つかもしれない「学び」として昇華させることが、自分自身の心の整理にも繋がるのではないか、と考えました。
この記事は、私の情けない失敗談です。 でも、もしこの記事が、あなたの、そしてあなたの大切な人のお金を守る、ほんの少しのきっかけになれたら、これほど嬉しいことはありません。 少し長くなるかもしれませんが、私の経験から得た教訓を、包み隠さずお話ししていきます。
なぜ、私は騙されてしまったのか(当時の状況と心理)

私が投資詐欺に遭ってしまったのは、一度目の休職から仕事に復帰して、まだ間もない頃でした。 心身の状態は決して万全ではありませんでした。精神的にも不安定で、常に将来への強い不安と、「早く経済的に自立しなければ」という焦りを抱えていました。
「このままこの職場で、一生働き続けることはできないだろう」 そんな思いが、私の心を支配していました。だからこそ、「何でもいいから、今の仕事とは別のことで稼げるようにならなければ」と、藁にもすがるような気持ちでいたのです。
すでに結婚もしていたので、「妻に迷惑を掛けるわけにはいかない」というプレッシャー。「何より自分の健康状態や精神状態を考えると、このままではいけない」という危機感。「自分の人生、こんなもんじゃないはずだ。もっと稼げる人間のはずだ」という、根拠のないプライドのようなものも入り混じっていました。
そんな心の隙間に、その投資話はあまりにも魅力的に響いたのです。
きっかけは、SNSのDMでした。
「あなただけに教えます」「今月の目標達成のため、お互いにとって良い話です」といった言葉で、特別な情報であるかのように錯覚させられました。
LINEに誘導された後も、巧みな言葉が続きます。 「これなら、すぐにこの苦しい状況から楽になれるかもしれない」 「特別なスキルがなくても、誰でも簡単にできる」 そして、「このチャンスを逃せば、もうこの状況を脱する機会はないかもしれない」という焦燥感。
頭の片隅では「これは絶対に詐欺だ」と、分かっていたんです。 妻も、「絶対にやめたほうが良い」と、私のことを心から心配して、強く止めてくれました。
でも、当時の私は、その忠告を受け入れることができませんでした。
「もし、これが万が一、本物の成功術だとしたら? このチャンスを逃したら、自分の人生はもう変わらないかもしれない。そうなったら、きっと一生後悔する」
そんな、極端な思考に囚われてしまっていたのです。
相手とオンラインで顔を合わせて話したことで、さらに「大丈夫だろう」という謎の安心感を得てしまい、私は妻の制止を振り切って、その話に乗ってしまいました。
振り返れば、人気でどこにも売っていないコーヒーミルを「ここだけ在庫がある」という不自然なサイトで迷わず購入し、入金後に連絡が取れなくなった経験も、私の「脇の甘さ」や「物事を信じやすい性格」を示しています。
心が弱っている時は、普段なら見抜けるはずの嘘や、聞こえるはずの優しい忠告にも、耳を塞いでしまう。そして、あり得ないほどの希望的観測にすがってしまう。 それが、当時の私の偽らざる心理状態でした。
失ってから気づいた、本当に大切なこと(学びと教訓)

お金との向き合い方:「楽して稼ぐ」の本当の危うさ
「楽して稼げるうまい話なんて、世の中にはない」 頭では、もともと理解していたつもりでした。でも、この大きな失敗を通して、その言葉の意味が、痛みと共に自分の心に深く刻まれた気がします。
今振り返ると、私の心の奥底には、「お金を稼ぐには、何か特別なスキルや、一般の人が知らない特別な情報が必要なんだ」という思い込みがあったのだと思います。そして、「できることなら楽して稼ぎたい」という、自分の弱い心の部分も、確かに存在していました。
この経験から私が学んだのは、お金とは、やはりコツコツとした知識の積み上げと、日々の実践の先にあるものだということです。
魔法のような特別な方法はなく、地道な努力こそが、一番の近道なのだと痛感しました。
人を信じることと、自分を守ること
この経験は、人との関わり方についても、私に大きな問いを投げかけました。 私は昔から、人を信じやすい、少し甘い部分があります。
今回の出来事で一番自分でも理解できないのは、なぜ一度も会ったことのない人の言葉を信じてしまい、身近で一番信用できるはずの妻の、心からの忠告を聞けなかったのか、ということです。
もちろん、「もう誰も信じない」という風に考えるのは、私の性格上できませんし、そうしたいとも思いません。ただ、誰かの言葉を鵜呑みにするのではなく、一度立ち止まって、自分の頭で考え、そして何より自分のすぐそばにいてくれる大切な人の言葉に、もっと耳を傾ける必要があるのだと学びました。人を信じることと、無防備であることは違う。そのバランスを、これから少しずつ鍛えていきたいと思っています。
失ったものと、それでも残ったもの
まとまったお金を失ったことは、もちろん大きな痛手でした。そして何より、私の軽率な行動で、また妻に心配をかけてしまったという事実に、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
ですが、そんな状況でも、妻は私の行動や考えについて、責めることなく、ただ静かに話を聞いてくれました。その存在がどれだけ救いになったか分かりません。
この経験を通して、私は大きなお金を失いました。でも、それと同時に、どんな時も味方でいてくれる家族の存在という、何にも代えがたい宝物が自分にはあるのだと、改めて気づかされました。その感謝の気持ちは、今も毎日、私の心の中にあります。
もし、あなたが同じような状況になったら(私からのメッセージ)

もし、今のあなたが、かつての私のように将来への不安や焦りを感じていて、目の前に「うまい儲け話」が現れたとしたら。 その時に、思い出してほしいことがあります。
それは、本当にありきたりなことかもしれませんが、「うまい話はない」ということです。
少なくとも、私のようなごく普通の一般人の元に、何の苦労もなしにお金が増えるような話が、向こうから降ってくることはありません。もしそんな話が来たら、まずは「怪しい」と疑うことから始めてください。
私が自分の経験から伝えたいアドバイスがあります。
- 誰か一人でいい、信頼できる人に話してみる
一番良いのは、家族やパートナーです。
私のように、その人の忠告を聞き入れられない状況だったとしても、誰かに話すことで、少しだけ冷静になれるかもしれません。もし家族に話しにくければ、友人に話をしてみるのも一つの手です。 - その話の発信元が信頼できるか、公的な情報で確認する
その投資話や儲け話をしている会社や個人が、本当に信頼できるのか、金融庁のウェブサイトで登録業者かを確認するなど、客観的な事実を調べることも大切です。 - 「焦らせてくる話」からは、すぐに逃げる
これが一番重要かもしれません。「すぐに決めないとなくなってしまう」「〇〇日までです」など、相手があなたを焦らせてくるようなら、その時点でもうダメです。本当に良い話なら、あなたがじっくり考えるのを待ってくれるはず。「焦って数日で決めないといけないことなんて、人生にはほとんどない」。それくらいに考えて、ちょうど良いのだと思います。
焦っている時ほど、私たちは視野が狭くなりがちです。どうか、一人で決断しないでください。
まとめ:失敗は、終わりじゃない
ここまで、私の本当に恥ずかしい、誰にも言いたくないような失敗談をお話ししてきました。 数年前にまとまったお金を失ったことは、金銭的にも、そして何より精神的にも、一時期は本当に辛かったです。
ですが、不思議なことに、今の私は、この経験があって良かったとさえ思っています。
なぜなら、この大きな失敗のお陰で、私は初めて真剣に「お金」と向き合うことができたからです。コツコツと家計管理から始め、今では少しずつですが、我が家の家計状況も良くなってきました。 そして何より、「自分が知らないこと、よく分からないうまい話には、二度と乗らない」と、心に固く誓うことができました。
あの時の失敗がなければ、私は今もお金について無頓着なまま、また別の「うまい話」に手を出していたかもしれません。そう考えると、この失敗は、これからの長い人生をより良く生きていくための、非常に価値のある「学び」であり、「よりみち」だったのだと、今は思います。
失敗は、そこで終わりではありません。そこから何を学び、どう次に活かすか。 この記事が、同じように悩んでいる誰かの、未来を守るための小さなヒントになれたなら、望外の喜びです。
以上、ごんでした。